前置き
「フットオンエア」という”イングランドプレミアリーグを中心にフットボールの話をどこよりもゆるく話すPodcast“を運営しているきょうへいと申します。
だいぶ時間が空いてしまったのですが3節アーセナル戦のマッチレビューを書いていこうと思います。
ちなみにこの試合旅先で観戦しておりまして大きなコテージに宿泊していたため、
ソボスライのゴール時には幅を使ってガッツポーズ出来たのが思い出深いですね。
クロップばりのセレブレーションを千葉の山奥でかましてきました、ああ気持ちいい。
さて、どうでもいい話は程々にして早速マッチレビューにいければと思います。
試合結果


前節大活躍だったソボスライを今節も右のサイドバックで起用。
加えてマカリスターがスタメンに復帰したことでヴィルツ、フラーフェンベルフ、マカリスターの最強の中盤ユニットが3節にして初お披露目というスタメンになりました。
前半はお互い様子見(解説の林さん曰く「質の高い睨み合い」)で攻め所を探るような、そして後半の出方を伺うような静かな試合運びでした。
後半は少しずつ高い位置でボールを持てるように押し込み始めたリバプールでしたが、
アーセナルも流石の守備の硬さで決定的なチャンスを多くは作れず。
そして勝負を分けたのは83分、ダイクの縦パスを受けたカーティスジョーンズがファウルをもらうとフリーキックを獲得。
Embed from Getty Images少し遠めの位置であったもののソボスライがブレ球でゴール左隅にゴラッソを叩き込み、
その1点を最後まで守り切ったリバプールが勝利をもぎ取りリーグ唯一の3連勝となりました。
自分のリアルタイム時の前半総括と試合総括も合わせて載せておきます。
語りたいポイント
Positive
ソボスライのフリーキック
前節に続き今節もヒーローとなったソボスライ、キックについては移籍当初から評判でしたがこの大一番でとんでもないシュートを決めてくれました。
多くを語るより映像で見た方が早いですね。
ディスクリプションに”Pure Cinema”とありますがまさに映画のような一撃、痺れました⚡️
例のあの人が去って以降、前節では守備も完璧にこなし攻撃でも違いを見せつけキック以外は上位互換とファンの間で褒めちぎられたソボスライ、
早くもフリーキックでも輝きを放ち完全な上位互換になりました。
近い位置のフリーキックはヴィルツやマカリスター、遠い位置はソボスライとリバプールはキッカーも盤石で今シーズンは期待ができそうです。
ちなみに試合後のインタビューでこんなことを語っていたようですが、
I have scored better free kicks than the one today. Go take a look to my free kick vs Turkey.
(訳)私は今日のより良いフリーキックを決めたことがあるよ。トルコとの試合のフリーキックを見てみてください。
たしかにとんでもないシュート…!
以前トルコ代表マドリー所属のギュレルと揉めていた時のことを思い出しました。
既に完全に選手として上をいっているのでソボスライは相手にせず選手としてさらに突き抜けて欲しいものです。
セットプレーを含めた守備対応の向上
前回記事でセットプレー対応の改善を記載したのですが、この試合もその改善が功を奏しセットプレー番長のアーセナルから8本のコーナーキックを凌ぎ切りました。
※ちなみにこの試合のアーセナルのCKは8本中6本がアウトスイング(ゴールからボールが逃げていく形)であり、お得意のGKを抑えこんで直接ゴール付近を狙う形が発揮されづらかったのは少しラッキーであったと言えるかもしれません。
ゾーンとマンマークの併用とキーマン(今節で言えばガブリエウ)には2枚のマンマークをつける形は継続して行われており、アーセナルを相手にしてよく守り切ったと思います。
そして11本のシュートを浴びたものの枠内に飛んだのは1本のみ。
さらにシュートブロックは7本と最後の部分で集中していたことがよくわかるスタッツであり、
開幕から2試合連続(CSも入れれば3試合連続)2失点と嫌な流れが続いていたのをうまく断ち切ってくれました。
ケルケズの対人戦の頑張り
今節も対面の選手はマドゥエケと引き続き厳しい相手が続いたケルケズですが、この試合は粘り強い守備でマドゥエケに食らいつき決定的な仕事をさせなかったことは賞賛に値します。
Embed from Getty Images手元で数えた数値なので誤りもあるかもしれませんが、マドゥエケとの1on1において
クロスのブロック:3回
シュートブロック:1回
クリア:2回
被ファウル:1回
とスピードで上回る相手に対して健闘しており、
この試合のマドゥエケのペナルティエリアでのタッチ数は8でありながら
枠内シュートは1(しかもこれはコーナーのこぼれ球)
SCA(Shot Creative Actionの略、シュートを誘発出来たアクション数)は1
と最後の部分でのケルケズの頑張りが非常によくわかる数値となっています。
ファン・ダイクの縦パス
この試合、ダイクは守備の観点でもクリーンシート達成のキーマンとして獅子奮迅の活躍を見せましたが特筆したいのはダイクの縦パスから多くのチャンスが生まれていたことです。
シーンとしては
59:32の対角に走っていたソボスライに入れた縦パス、そして得点につながる80:23のカーティスへの縦パスが印象的だったでしょうか。
そしてスタッツを見てもダイクはこの試合でパスで試合を大きく動かしていたことがよくわかります。


(引用:FBREF)
上の図はリバプールの選手、下の図はアーセナルの選手をパスの前進距離順に上位5人で並べた表なのですが、
まずはパスの前進距離でダイクはチーム1位となっています。
加えてアーセナルの表を見てわかる通り、
この指標は基本的にゴールキックやロングキックなど長いボールを蹴る回数が圧倒的に多いGKが1位になることが多い指標です。
その中でアリソンを超える数値を叩き出しているダイク、さらにパスの成功率も非常に高いです。
全体の成功率も90.1%とさることながらロングパスの成功率が12/17で70.6%と非常に高水準であり、
この成功率の中でファイナルサードへの供給もチームで2位となる5回となっています。
これはダイクのパスの質が非常に高くチームの攻撃の起点としての役割を担っていることがよくわかるデータで、
世界一のCBの名に恥じない好パフォーマンスを披露してくれたと思います。
Negative
本調子でないサラーのスタッツ上の変化
うすうす感じている方も多いと思いますが開幕してからの我らのキング、本調子とは言えない出来の試合が続いています。
個人的には昨シーズンの終盤から不調を引きずっているように感じているので少し心配なのですが、その不調はスタッツではどこに表れているのか。データで紐解いてみましょう。
Embed from Getty Images①ボールロストの質
始めに記載しておくとサラーは元々チャレンジが多い選手なのでロスト回数も多くなる傾向があります。
実際に24/25シーズンの試合辺りのPossession lostの回数は16.7、今シーズンは15.7と回数には大きな違いはありません。
ただしボーンマス戦は22回、アーセナル戦は15回でチームトップとなっており、かつボーンマス戦は1節振り返りに記載したようにサラーのパスミスが失点のトリガーになっているシーンも出てきています。
この試合でも74:45のパスミス、86;37のボールロストからカウンターのシーンを作られており、つまり失い方の質がネガティブであるところに問題があると言えるでしょう。
②シュート創出回数の減少
上で記載したようにサラーはチャレンジ回数が多いですし、もう少し言うと前回記事で少し触れていますがリバプールはサラーが仕掛けることでチャンスを作ってきたチームです。
こちらの表はSCA(Shot Creating Action)というシュートに繋がったアクションの90分あたりの数値をまとめたもので、上が24-25シーズン、下が25-26シーズンの数値になります。


(引用:FBREF)
24-25シーズンは出場時間が短いエリオット、キエーザを除き4.51という数値でサラーは1位となっていますが、今季は1.67と前線の選手の中では最低の数値になっています。
つまり①で述べた内容と合わせて考えると仕掛けている回数が多い中ボールロストは多いままに、シュートに結びつくアクションを創出出来ていないということになります。
それでも今季1G1Aをすでに記録していますし、2節のエングモアのゴールのアシストはサラーからであって決定的な仕事を少ない機会でもこなしているのは流石というべきでしょうか。
そしてこんな風に語っても気づいたら大活躍しているのがサラーです。僕たちはただ王に忠誠を誓えばいいのです。サラー様は絶対なのです。(唐突に盲信者になる)
Embed from Getty Imagesあとがき
というわけで3節のマッチレビューでした、いかがでしたでしょうか?
かなり時間が空いてしまったのですが試合を思い出すきっかけとして読んでいただけていたら嬉しい限りです。
これを書き上げたのが12日金曜日で、代表ウィークが明けて週末にはプレミアリーグが帰ってきます。リバプールは特に怪我人もなかったようで一安心ですね。
次節は昇格組のバーンリーを相手にアウェイゲームになりますが、イサクの出場はあるのか、フリンポンも帰ってきてソボスライをどこで使うのかなど既に楽しみな要素満載ですね。
開幕からの連勝が続くような好ゲームを期待してこの辺にしておこうと思います🔴
それではまた次回のマッチレビューで!
第3節の感想を話しているPodcastも合わせてどうぞ⚽️
コメント
ファンダイクのパスは無意識でしたが、スタッツ凄かったんですね!
一方、これだけのことを成し遂げてきたサラーを信じたい気持ちは強いんですが、チームを超える選手がいないのも事実。交代させるのが難しい選手ゆえに早く復調してほしいですね!
あのデュエル勝率にパススタッツまで残されるとダイクは最強のCBなのを改めて痛感しますね!サラーは4節もパッとしなかったですが勝ってる間に復活してほしいものです…!