リバプールに押し寄せるベビーブーム

【25/26】プレミアリーグ2節を振り返る #NEWLIV

マッチレビュー

前置き

「フットオンエア」という”イングランドプレミアリーグを中心にフットボールの話をどこよりもゆるく話すPodcastを運営しているきょうへいと申します。

開幕節に続き劇場版展開を続ける我らがリバプール。
ファンの心を揺さぶらないと気が済まないんですかね、朝4時から血圧と心拍数が落ち着かないままこのレビューを書いています。
前節同様エングモアのゴールで朝から叫びやはり奥さんに怒られました、もはやリバプールが悪いと思う

もはや理屈で語れない気がするような第2節ですが、そんな中でもなるべく言語化していければと思います。それでは早速いきましょう。あ、イサクもらっていきますね。

試合結果

フリンポンはハムストリングの怪我、ブラッドリーは怪我明け、ゴメスはコンディション的にスタートは無理
右のサイドバックに誰を起用するかが話題になっていた中でスロットはソボスライを抜擢(PSMでも少し試していましたね)。

中盤はカーティスと戻ってきたフラーフェンベルフ、トップ下にはヴィルツの構成で臨んだ試合でした。

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開始早々にニューカッスルのプレス強度が高くボールを落ち着いて持てないと判断したリバプールは、
トリッピアーとガクポのマッチアップの都合上高さに優位があるためロングボールを送り続けるも良い形を作れず前半30分頃まではかなり押し込まれる形で試合は進行。

そんな中プレスがやや緩み前にボールを送り込めるようになった35分にフラーフェンベルフの理不尽ミドルシュートが決まり先制。
そして前半終了間際にはゴードンがダイクへの危険なタックルで退場、リードし数的優位で前半を終えます。

後半開始早々にエキティケが3戦連発のゴールでスコアを2-0とするも、57分にケルケズが競り負けてギマランイスのゴールで失点。

息を吹き返したセントジェームスパークはリバプールゴールに襲い掛かり、ついに88分にはオスラにもセットプレーの流れで押し込まれ2-2と苦しい展開に。

残りの時間も攻勢を緩めないニューカッスルでしたが、リバプールは人数有利を活かしコンビネーションから
16歳の超新星エングモアくんのゴールで勝ち越し勝利、という展開でした。

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自分のリアルタイム時の前半総括と試合総括も合わせて載せておきます。

語りたいポイント

Positive

ソボスライのサイドバックへの順応

プレシーズンでは試していたものの、慣れない右のサイドバックとしてスタートから攻守で奮闘
80分のヴィルツ交替後からはトップ下としてプレーし勝ち越し弾を演出する華麗なスルーを披露しPotMも獲得したソボスライ

サポーターからも賞賛の声が数多く聞こえており、この試合の勝利の立役者であったと誰しもが認める活躍でした。

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スタッツとしても他のバックス陣と遜色ない数値が出ており(リカバリー4,タックル1)、
そこに加えて彼の持ち味であるロングボール(11本中7本成功)やボールを前に運ぶ能力(ボールを前進させた距離がアリソンを除きチームで1位)で大きな貢献を果たしていました。

そして守備の危機察知能力も非常に高く
15:20頃の中への絞ってのクロスへの対応
28:16頃のゴードンのシュートへのブロック
失点の危機を救った優れたプレーとして特筆しておきたいです。

とはいえ彼の本職はアタッカーサイドバックは緊急時のオプションとして頭に入れつつ、今季攻撃の面でも魅せてくれることを楽しみにしたいと思います。

CKのマーキング

忌々しき24/25カラバオ決勝の1失点目、覚えていますでしょうか?

コーナーキックを前半終了間際にダンバーンの高打点ヘッドで沈められましたね、僕はepilogueさんで観戦していたのですが頭を抱えたのを鮮明に覚えています。

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この時ダイク、コナテなどの競り合いに強い選手フリーマンとして飛んでくるボールをゾーンで迎撃、サラー、マカリスターなどの比較的背が低い選手マンマークで相手選手の邪魔をする形の対応をとっていました。

このやり方で失点したのでスロットはどんな策を打ってくるのかなと思っていたのですが、
この試合はなんと「一人で足りないなら二人つけちゃえばいいじゃない」スロットワネットダン・バーンに対してはマークを2枚つける形での対応をしていたように思います。

終盤のオスラのゴール時は後ろからのフリーキックで純粋にコナテが競り負けたのはやや残念でしたが、それ以外のセットプレーでは改善の気配がしたのでここは引き続き対策を練り続けていってほしいですね。

次節はセットプレー番長のアーセナルとの対戦なのでどんな対策を練ってくるか期待して見てみようと思います。

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ワンチャンスを物にしたエングモア

プレシーズンマッチで一際強い輝きを放ちトップチーム帯同を手にした16歳の神童、リオ・エングモア。

逆転を目論むマグパイズを一振りで絶望の淵に叩き込んだエングモアのゴールですが、シュートのスタッツを見てみましょう。

(引用:sofascore

xG(ゴール期待値*1)が0.36、xGOT(枠内ゴール期待値*2)が0.87、さらに右足でのシュート、決めた位置が右下と前回記事のキエーザのシュートを彷彿とさせるスタッツです。

xGは高いものの、16歳のデビュー戦で外せばチームは引き分けという状況でこのシュートをゴール右隅に叩き込めるメンタリティと技術スペシャルな選手であることの証明といっていいでしょう。

どこまで成長するのか末恐ろしいですがリバプール首脳陣は大切に育ててほしいものです。
体が出来上がっていない部分もあると思うので慎重な起用をしつつ、自信をつけさせてあげるような起用ができればベストですね。

というわけでイサクを確保し前線のローテの層を厚くすることはエングモアの健やかな成長のためにも重要です、頼むぞヒューズ🙏

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*1 xGとはシュートを打つ前までの状況を加味して、該当のシュートがゴールになる確率を0~1の数値で表す数値です。
*2 xGOTとはシュートが打たれた後の状況を加味して、該当のシュートがゴールになる確率を0~1の数値で表す数値です。

詳しくはefStatsさんのサイトがわかりやすいのでこちらをご参照ください。

Negative

ケルケズの適性と使われ方の違和感

昨季年間を通して左のサイドバックのポジションの補強の必要性が叫ばれた中でやってきた21歳の若武者ですが、
開幕から2試合のケルケズの出来には満足しきっていないリバプールサポーターも多いのではないでしょうか?

昨シーズン躍進したボーンマスで活躍し、24/25のPFA年間ベストイレブン(選手間の投票で選ばれる)にも選ばれた彼がなぜハマりきっていないように見えるのか?

そこにはリバプールの戦術的特徴とスタッツから見える彼の特徴を活かしきれていない噛み合いの悪さが関わっているように思います。

①サラーシステムの帳尻合わせ

リバプールはサラーが王様のチームでありそこに疑いの余地はありません。

サラーの個の能力を活かすため”守備の負荷の軽減””右サイド大外へのポジションどり”が意図的になされており、
実際にサラーが年間40~50G/A程度の数字を作り出していることからもこの戦略には替えが効かないことも明白です。

そしてこの2つはチームに”相手のLSB起点の攻撃の増加””RSBの平均ポジショニングの高さ”を同時にもたらします。
(このリスクとリターンを天秤にかけてリターンが遥かに上回る実績を8シーズン出し続けているサラーは本物のワールドクラスです)

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この問題を昨シーズンまではリバプールはソボスライの守備貢献度コナテの機動力の高さで解決してきており、
今シーズンからは上記に加えフリンポンの爆速プレスバックも手札に加わりました。

ただこれだけでは上記のフィルターを通り抜けた時のリスクヘッジが足りず、
リバプールの左サイドバックはボール保持時の飛び出しの判断の難しさ3バック化を迫られている状況と言えるでしょう。

下に掲載しているのは
1枚目がリバプールのLSBのヒートマップ比較
左から
・ケルケズの今季PLヒートマップ
・ケルケズの昨季PLヒートマップ(ボーンマス在籍時)
・ロバートソンの昨季PLヒートマップ
・ツィミカスの昨季PLヒートマップ
を並べたもの
2枚目が今節の試合を通した選手の配置図(6番がケルケズ)です。

(すべて引用:sofascore

ヒートマップを見ると昨季のケルケズは相手のファイナルサードへの侵入が明らかにロボとツィミカスより多く
ボーンマスでは積極的なオーバーラップによる攻撃参加でチームにダイナミズムをもたらしていました。

しかし今季は明らかに低い位置でのボール関与が多く、彼の攻撃参加という特徴を発揮出来ているとは言い難い状況です。

また配置図を見てもRSBのソボスライが内側の1列高い位置を取っている関係で、ケルケズは低い位置でビルドアップに関わっていることもわかります。

つまり彼の特徴とプレーエリアが噛み合っておらず持っている武器を発揮しづらい状況が生まれてしまっていることが課題であると言えるでしょう。

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②空中戦勝率の不安

今節の1失点目のシーン、ギマランイスとの競り合いにおいてケルケズはボールを触るのではなく相手に背中をぶつけて邪魔する形で防ごうとしましたが押し切られゴールを許す形となってしまいました。

高さのあるボールでしたし難しい判断なのは間違いないのですが、あの競り合いは判断としては少し消極的かなと思ったのは否めません。

この試合自体の空中戦のスタッツは7/9と悪くないものの、ケルケズはプレミアリーグでのスタッツを見ると空中戦勝率があまり高くないことは触れておく必要がありそうです。

下に掲載しているのは
1枚目がケルケズのスタッツ
2枚目がロバートソンのスタッツ
で赤枠が空中戦の勝率の数値になります。

(引用:FBREF

身長もケルケズ180cm、ロボ178cmとほぼ同等な中でケルケズはボーンマス時代のシーズン通しのスタッツで見ると36%台となっており、
これはサイドバックの選手としてはかなり低めの数値と見て良いでしょう。

ちなみにプレミアリーグの24-25のデータでサイドバックのポジションの選手の平均値は49.4%となっており平均からも10%以上下回る結果になっています。

隣には完璧守備超人のダイクが控えているとはいえ(空中戦勝率なんと75.5%!)
ケルケズを後ろの配置で使うということは空中戦においてもリスクを抱えることになるというのは認識しておく必要がありそうです。

と、ここまでネガティブな話をしたものの
ガクポの持ち運び時に積極的にオーバーラップをかけて使われずとも間接的にサポートしているし、ボール保持者へのアタックの早さとひたむきさは賞賛に値する活躍をしていると思っています。

ここからの試合と練習の中で彼の武器の活かし方はチームの中で磨かれていくでしょうし、21歳と若い選手なので成長の余地は大きい選手なのは間違いありません。

シーズンが終わる頃にはこの記事をケルケズに晒されてごめんなさいしていたいなと思います、応援してるぜケルケズ💪

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(ダイクが削られてすぐに食ってかかった負けん気の強さ、推せる👍

コナテがやや不調?

ダイクの相方として昨季は堂々のパフォーマンスを披露し昨季まではRSBのあいつの介護もこなしCB不動のレギュラーとして君臨しているコナテですが、
今シーズンに入ってややパフォーマンスが落ちているようにも感じます。

スタッツ的な特徴としては90分当たりのタックル、インターセプト、ブロックの回数の減少が見られます。
ただしまだ2試合のスタッツなのでデータとして論じるほどの根拠は薄く、今後の試合での調子も含めて見ていく必要があると思います。

(引用:FBREF

自分がこの試合のコナテのパフォーマンスで気になったのは、
24:40のゴードンのターンを許したシーン
31:22のトナーリに横パスをカットされピンチを招いたシーン
の2つです。

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前者は抜け出されるのを防ぐために引き倒しイエローカードをもらっており、後者はゴール前まで迫られあわや失点もあり得たシーンでした。

コナテの全力のパフォーマンスに疑いの余地はないので、シーズンが進みコンディションが戻ってくれば心配はしていないのですが
首脳陣は良いオファーを提示して契約延長が決まり彼がプレーに全集中出来るような状況を作り出してくれることを切に願います。

あとがき

今回も思ったより長くなってしまった、全部読んでくださった方は本当にありがとうございます🙏

これだけ書いた後にも

ダイクの空中戦の圧倒的存在感でセットプレーを数多く凌いだこと

ヴィルツのポジショニングの良さ

アリソンはすごいのが当たり前になってるけどもっと褒め称える記事を書きたい

とか色々あるのですが今週はこの辺りにしておきます。

ここまで2連勝組はノースロンドン組と我らがリバプールだけ、そして次節はアーセナル戦と最初のインターナショナルウィークをトップで迎える準備は出来ています。

3節も勝って気持ちよくお休みに入れるといいなと思います、頼んだリバプール🔴

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今節一番の珍プレーはサラーの絶好球をシュートミスしたカーティスのこのリアクションで間違いないですよね?

第2節の感想を話しているPodcastも合わせてどうぞ⚽️

コメント

  1. エリ夫 より:

    ケルケズのポジショニング件は私もサラーの影響があると思っています。
    昨季のロボが調子を落としたことも起因していると考えると、玉突き的にポジションの負担が出ていると思います。
    そして、この試合見ていて感じたのは、スロットが一番頭を悩ませているのはサラーを変えられないことじゃないかなと思いました。
    今のサラーのパフォーマンスでは収支が合って無い気がしますが、とにかく試合に出たがりマンのサラーを変えられないのは監督として難しそうだなと。
    こんな私の与太話、サラーには結果で黙らせてほしいです。

    • きょうへい(フットオンエア) きょうへい(フットオンエア) より:

      現状のリバプールのLSBはグヴァルディオルやカラフィオーリなどのCBもこなせるレフティーの選手が一番適任な感じしますよね…!そんな選手市場になかなか出てこないわけですが。。。
      そして仰る通りサラーは昨年終盤から89分冴えなくて1分で結果出す状態なので収支あってない感わかります、そしてこんなこと言う我々を軽く吹き飛ばす王なのも間違いないです…!笑

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